まず最初に、とても参考になったのがウェブはJimdo・メールはBizメール&ウェブを使うというページです。こちらのページに大変助けられました。この場を借りて御礼申し上げます。有り難うございました。
Wixを使って制作の仕事をされている方は恐らく皆さん経験があると思いますが、サイトリニューアルの案件としてご依頼を受けた際、既存サイトがWix以外で制作されている場合は必ずドメインの接続設定を変更する作業が発生します。
なぜドメインの接続設定を変更する必要があるのか?
それは、サーバーが変わるからです。
ですが、サーバーが変わるという部分については今回は割愛します。
|割りと簡単な事例
Webサイトのリニューアルのみの案件であれば、Wix推奨のやり方「ネームサーバーの変更」を行うだけで、しばらく経てばWixで制作したサイトが表示されるようになります。
このパターンの場合は、Wixにも手順が掲載されているのでドメインの設定を変更する権限さえあればさほど難しいことはありません。
クライアント側でドメインレジストラとの契約を解除する手間も省けます。(状況によっては自分が普段利用しているレジストラへ移管した方が良いこともあります)
|ちょっと難しい事例
慣れている人にとっては別に難しくもなんともないかもしれませんが、上で書いた「ネームサーバーの変更」では対応できない事例も多々あります。
その昔、まだ駆け出しの頃「ネームサーバーの変更」がもたらす影響をきちんと把握できておらずリニューアル案件の制作を請負い、サイト完成後にWixが推奨しているネームサーバーの変更を行って「納品完了!ウェ~イ♪」となっていたら翌日の朝イチにお客様から電話があって「メール使えないんだけど(-_-メ)」とお叱りを受けたことがあります(汗)
ということで、もしこの投稿を見ている駆け出しフリーランスWebデザイナーの人がいたら既存サイトに接続された独自ドメインを使ったメールアドレスの存在は必ず事前に確認することをオススメします。いや、オススメではなく命じます。
|独自ドメインメールが存在していた時の対応
お客様が独自ドメインを使ったメールアドレスを使用していたら、まずはメールサーバーを確認しましょう。
ちなみにウチではさくらのメールボックスを過去に何度か利用したことがあります。
さくらのメールボックスを利用する場合は、ネームサーバーをWix指定のレコードに変更しても問題ありません。
その後、Wixのドメイン管理画面でMXレコードへさくらのメールボックス「サーバ情報」の「ホスト名」を入力することで独自ドメインメールを利用することができます。
メールサーバーの条件や仕様によってはMXレコードを入力するだけではメールを使えないこともあるので、その場合はポインティング接続でドメインを接続しましょう。
ポインティング接続の手順もヘルプページに記載されているのでそちらを参照ください。
ざっくり言うとドメインレジストラの管理画面でCNAMEとAレコードにWixから指定された値を入力するのですが、更にMXレコードにもメールサーバー指定の値を入力しましょう。
|これは詰んだかもしれない…
で、ようやくタイトルにある詰んだかもしれないお話しです。
その案件は、既存サイトも独自ドメインメールも利用中で更にクライアント企業の規模が大きくメールアドレスの数も多い。
そこで、メールサーバーの乗り換えは現実的ではないため、メールサーバーはそのまま使用したいと考えました。
それで冒頭でご紹介させていただいた参考記事に辿り着き、Aレコードを2つ設定することでメールもWebも無事に繋がりました。
と思いきやメールに遅延が発生…
メールサーバー側にも何か問題があるかもしれないということで、クライアント企業がサーバー会社とやり取りして「Aレコードの値をこっちの値へ変更してください」との回答をもらい、指示された値へと変更することで遅延も解消しやっと無事にメールもWebも利用できるようになりました♪
と安心したのも束の間、数日経過してもSSLが有効にならずいつまで経ってもhttpのまま…
これを解消するためにはWix側で「.htaccess」の変更が必要なのですが、ユーザーでは触れないファイルのためヘルプセンターへ問い合わせ。
そこで改めて.htaccessの変更はできませんとの回答を得る。。。(この時初めてWixの電話サポートを利用したのですが、的確な回答過ぎて感動しました)
はい。詰んだ。
旧サイトはhttpで運用されていた為、事前打合せの段階で「リニューアルすればURLもhttpsになりますよ!」なんて意気揚々と謳っていたのに、仕様上それは不可能。
終わった。。。これでは嘘つきになってしまうではないか…
|神
もはやこちらには手の打ちようがない状況なので素直にクライアント企業へ事情を説明しひとまずは「これまでもhttpでしたし、ウチは拘ってませんから」と優しいお言葉をいただき、神かと思いました。
ということで、やむを得ず一旦放置することになったのですが、しばらく時間が経過したあとにそのホームページを開いてみると、なんとURLがhttpsになってるではありませんか!!!
Wix内での.htaccessの仕様や方針が変わったのか何なのか分かりませんが、とにかくURLは間違いなくhttpsになりました。
|さいごに
今回ご紹介した案件はページ数も多く、金額もそれなりに大きなものでしたので最終最後の段階で詰んだ状況に陥ったときは、絶望しかありませんでした。
・もしhttpsが使えないなら他社に依頼しますってなったらどうしよう…
・これまでの打合せや制作に使った時間はどうなるの?
・こんなに頑張ったのに貰えるのはクレームだけ?
たくさんの不安が頭の中を駆け巡りましたが、Wixが気を使ってくれたのか無事にhttpsも有効化され、事なきを得ました。
この投稿にたどり着いた方は、すでに制作の依頼を受けたあとかもしれません。一応ご理解いただきたいのは必ずしも無事に接続できると保証はできません。
メールの遅延が発生する可能性もありますし、httpsが有効化されない可能性もあります。
もし、クライアント企業との契約を締結する前であればメールサーバーも一緒に移管されることも視野に入れて打合せ等々を慎重に進めてくださればと存じます。
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